SNSやネットの育児情報に振り回される不安、夫婦でどう乗り越える? 情報との付き合い方のヒント
育児情報とどう向き合うか、夫婦で考える時間
子育て中は、様々な情報に触れる機会が多くあります。インターネット検索、育児関連のウェブサイト、育児書、そしてSNSなど、少し調べればたくさんの情報が得られます。特にSNSでは、他のご家庭の様子や育児法などが日々更新されており、手軽に情報収集できる反面、情報量があまりにも多いため、どれを参考にしたら良いのか迷ったり、他の家庭と比べて不安を感じたりすることもあるかもしれません。
こうした情報に振り回され、ご自身の育児に自信が持てなくなったり、夫婦間で意見が食い違ったりといったお悩みを抱える方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここでは、情報との上手な付き合い方について、夫婦で協力しながら実践できるヒントをいくつかご紹介します。
情報に振り回されないためのヒント
ヒント1:情報源の種類と信頼性を夫婦で理解する
世の中には、専門家や公的機関が発信する信頼性の高い情報から、個人的な経験や感想に基づいた情報まで、様々な種類の情報があります。SNSなどで目にする情報は、主に個人の経験や意見であることが多く、必ずしも全てのご家庭や状況に当てはまるわけではありません。
夫婦で、「今見ている情報はどのような種類のものか」「その情報は信頼できるものか」といった視点を持つように意識してみましょう。公的な機関(厚生労働省、自治体など)や、信頼できる専門家(医師、助産師、保育士など)による情報は、育児の基本的な知識として参考になります。一方、個人的な体験談は、「こんな考え方や方法もあるんだな」という程度に受け止め、ご自身やご家族に合うかどうかを夫婦で話し合うことから始めてみてはいかがでしょうか。
ヒント2:夫婦間で情報共有のルールを作る
どちらか一方が熱心に情報を集めて、もう一方が内容を把握していない状態になると、情報に対する認識にズレが生じやすくなります。夫婦で、育児に関する気になる情報を見つけたら共有する習慣を持つことをお勧めします。
例えば、「この情報、読んでみてどう思う?」「これ、試してみる価値があるかな?」など、簡単な問いかけから始めてみましょう。一緒に情報の内容を確認し、それについて意見を交換する時間を持つことで、夫婦共通の理解が深まります。これにより、一方だけが情報に不安を感じたり、判断に迷ったりすることを減らし、夫婦で協力して育児の方針を考える土台ができます。
ヒント3:夫婦で「私たちの基準」を持つことの強さ
外部の情報は参考になりますが、全てを鵜呑みにする必要はありません。一番大切なのは、「私たち夫婦が、私たちの子どもにとって何が一番良いと考えるか」という視点です。他の家庭のやり方やSNSで見る「理想」と、ご自身の状況を比べて落ち込むのではなく、「我が家にとっての幸せな育児とは何か」を夫婦で話し合ってみてください。
夫婦で話し合いながら、ある程度の育児の「基準」や「軸」を持つことで、外部の情報に過度に影響されにくくなります。「他の家庭はこうしているみたいだけど、私たちはこれで大丈夫」「我が家はこういうやり方が合っている」といった、夫婦共通の安心感が生まれます。この「私たちの基準」は、育児の過程で変化しても良いものです。その都度、夫婦で対話しながら調整していくことが重要です。
ヒント4:意識的に情報から離れる時間を作る
常に最新の育児情報を追いかけていると、心身ともに疲弊してしまうことがあります。意識的にスマートフォンやパソコンから離れ、情報収集から距離を置く時間を作ることも大切です。
夫婦で「情報を見ない時間」や「デジタルデバイスから離れてリラックスする時間」を決めてみるのはいかがでしょうか。例えば、食事中や寝る前は情報を遮断する、週末の〇時間は育児情報を見ないなど、小さなルールから始めてみても良いでしょう。情報から離れることで、目の前にいる子どもとの時間や、夫婦での会話、ご自身の心と向き合うゆとりが生まれます。
情報とうまく付き合い、夫婦で安心感を育む
情報があふれる現代社会で、育児に関する情報と上手に付き合うことは容易ではありません。しかし、その全てを完璧に理解し、実行する必要はありません。大切なのは、様々な情報があることを理解した上で、夫婦で協力しながら、ご自身とご家庭に合った情報を選び取り、活用していくことです。
情報に振り回されて不安になる時も、夫婦で話し合い、お互いの考えを尊重しながら、一歩ずつ前に進んでください。夫婦で「私たちの育児」という基準を大切にすることで、外部の情報に揺らぎにくい、安心感のある子育てを築いていけることでしょう。