ワンオペ育児のつらさ、夫婦で理解し支え合うには? 乗り越えるヒント
ワンオペ育児の負担、一人で抱え込んでいませんか
子育ては素晴らしい経験であると同時に、予測不能な出来事の連続でもあります。特に、日中の大半や夜間、あるいは連日、片方の親が一人で育児や家事を担う「ワンオペ育児」は、心身ともに大きな負担となることがあります。
終わりが見えないと感じたり、誰にも理解されていないように感じたりすることは、決して珍しいことではありません。パートナーに状況を伝えようとしても、うまく伝わらなかったり、逆に衝突してしまったりすることもあるかもしれません。このような状況は、夫婦関係にも影響を与えかねません。
この記事では、ワンオペ育児の負担を少しでも軽減し、夫婦で互いを理解し合い、支え合うための具体的なヒントや考え方をご紹介します。完璧を目指すのではなく、できることから少しずつ取り入れてみることで、状況が少しでも良い方向へ向かうことを願っています。
夫婦でワンオペ育児の負担を乗り越えるためのヒント
ワンオペ育児の負担を和らげ、夫婦で協力体制を築くためには、いくつかのステップが考えられます。
1. 「見えない家事・育児」を「見える化」する
ワンオペ育児の負担が大きいと感じる理由の一つに、「見えない家事・育児」の多さがあります。食事の準備、洗濯、掃除といった目に見える家事に加えて、子供の機嫌を取る、遊び相手になる、着替えさせる、保育園や学校の準備をする、連絡帳を書くなど、細々とした、しかし育児には不可欠な作業が膨大に存在します。
これらの「見えない」作業をパートナーに理解してもらうためには、具体的な行動としてリストアップしてみることが有効です。例えば、一日のスケジュールを書き出したり、普段行っている育児や家事のタスクを書き出したりします。これにより、パートナーは日常の中にどれだけ多くの作業が存在するのかを具体的に把握しやすくなります。「これだけやっている」と伝えるのではなく、「普段、こういうことをしています」と事実を共有するスタンスが望ましいでしょう。
2. 具体的な協力を依頼し、感謝を伝える
漠然と「手伝ってほしい」と伝えるよりも、具体的な行動を依頼する方が、パートナーは何をすれば良いか理解しやすくなります。「手が離せないから、〇〇のオムツを替えてくれる?」「夕食の間、△△を絵本で見ていてほしいな」「週末の午前中、1時間だけ子供を見てもらえないかな」など、具体的なリクエストを伝えてみましょう。
そして、協力してくれたことに対しては、小さなことでも感謝の気持ちを言葉で伝えることが大切です。「ありがとう、助かったよ」という一言は、相手の協力する意欲を高めることにつながります。
3. 短時間でも夫婦で「業務連絡」以外の会話をする
育児中は、子供のことや家事のことなど、必要な「業務連絡」ばかりになりがちです。しかし、意識的に短時間でも良いので、夫婦二人のための時間を持つことを試みてください。例えば、子供が寝た後に15分だけ飲み物でも飲みながら、今日あった楽しかったことや、仕事の話、趣味の話など、育児とは関係ない話をしてみるのです。
これにより、単なる「育児の共同作業者」としてだけでなく、お互いを一人の人間として再認識し、精神的な繋がりを保つことができます。このような時間は、ワンオペ育児による孤立感を和らげる助けにもなります。
4. お互いの大変さを認め合い、労う
ワンオペ育児をしている側が大変なのはもちろんですが、外で働いているパートナーにも、仕事のストレスや「自分は家にいない間に何もできていない」という罪悪感、あるいはどのように手伝えば良いか分からないといった難しさがある場合もあります。
お互いの立場を想像し、「いつもありがとう」「外で働くのも大変だね」「一人で頑張ってくれてありがとう」など、労いや感謝の言葉を伝え合うことは、夫婦の関係を良好に保つ上で非常に重要です。相手の大変さを認め、共感する姿勢を見せることで、信頼関係が深まります。
5. 外部サービスや頼れる人を検討する
全てを夫婦だけで抱え込む必要はありません。経済的に可能であれば、一時保育やベビーシッター、家事代行サービスなどの外部サービスを利用することも選択肢の一つです。また、実家や友人など、頼れる人がいれば、一時的にでも協力を仰ぐことを検討してみましょう。
「誰かに頼ることは申し訳ない」「頑張れば一人でできるはず」と考えがちですが、心身の健康を保つことは、結果として家族全体にとって良い結果をもたらします。利用できる資源は積極的に活用することを考えてみてください。
夫婦で少しずつ、できることから
ワンオペ育児は大変な状況であり、それを完全に解消することは難しいかもしれません。しかし、夫婦で現状を共有し、お互いの立場を理解しようと努め、具体的な協力を依頼し合うことで、負担は少しずつ軽減されていく可能性があります。
大切なのは、完璧を目指すのではなく、「できることから」「少しずつ」変化を起こしていくことです。今日から一つでも良いので、上記でご紹介したヒントの中から試せることを見つけてみてください。
育児は夫婦で乗り越えていく道のりです。困難な時こそ、お互いを思いやり、支え合うことを忘れずに、一歩ずつ進んでいきましょう。