子どもの叱り方・褒め方、夫婦でどう合わせる? ブレをなくすヒント
子育てにおいては、お子様が成長するにつれて様々な場面で「叱る」ことや「褒める」ことが必要になります。より良い成長を願うからこそ、お子様の行動に対してどう声をかけるかは、多くの親にとって大切な関心事です。
しかし、いざ夫婦で実際にお子様への対応をする際に、叱り方や褒め方について意見が異なったり、タイミングや度合いがずれてしまったりすることに悩む方は少なくありません。一方の対応に納得がいかなかったり、お子様が夫婦で違う対応に戸惑っているように見えたりすると、どうすれば良いのだろうと感じることがあるかもしれません。
このような、子どもの行動に対する夫婦間の対応の「ブレ」は、なぜ起こるのでしょうか。そして、どのように向き合えば、お子様にとって分かりやすく、夫婦にとってもストレスの少ない子育てにつながるのでしょうか。
なぜ夫婦で叱り方・褒め方がズレてしまうのか
夫婦であっても、育ってきた環境や受けた教育、価値観は異なります。そのため、何が「良いこと」で何が「悪いこと」なのか、どの程度叱るべきか、どのように褒めるべきかといった基準が自然と異なるのは当然のことと言えます。
また、日々の忙しさやその時の精神状態によっても、対応が変わることもあります。疲れているときはつい強く叱ってしまったり、逆に見過ごしてしまったりすることもあるかもしれません。
こうした違いは、決してどちらかが間違っているということではなく、お互いの個性や経験からくるものです。しかし、お子様にとっては、親によって対応が違うと、何が正しくて何が間違っているのかが分かりにくくなる可能性があります。また、夫婦間でお互いのやり方に不満が募る原因となることもあります。
夫婦で対応のブレをなくすためのヒント
完全に夫婦で同じように対応することは難しいかもしれませんが、少しでもブレを減らし、お子様にとって分かりやすいメッセージを伝えるためのヒントをいくつかご紹介します。
- 「話し合う時間」を持つこと お子様が寝た後など、落ち着ける時間に、お互いの子どもへの対応について話し合う機会を持ちましょう。その場で起きた出来事に対して、「私はこう感じて、それでこう対応したよ」「どうしてそう対応したの?」と、お互いの考えや行動の背景を共有することから始めます。相手の対応を否定するのではなく、「知る」ことから始める意識が大切です。
- 「大きな方針」を共有すること 細かい対応一つ一つを合わせるのは難しいため、「人としてこれだけは大切にしたいこと」「この行動は絶対に注意する」「この行動は積極的に褒める」といった、家族として大切にしたい価値観や、特に注意すべき行動、推奨したい行動など、大きな枠組みでの考え方を共有します。例えば、「人に迷惑をかける行動は必ず注意する」「自分でできたことはどんな小さなことでも褒める」など、夫婦で共通認識を持つようにします。
- お互いの「得意・不得意」を活かす 一方が特定の行動に対する声かけが得意だったり、より効果的な伝え方を知っていたりすることもあります。無理に苦手な方に合わせるのではなく、得意な方がその役割を担うなど、状況に応じて柔軟に対応することも有効です。
- 子どもの前では一方の対応を否定しない もし相手の対応に疑問を感じたとしても、その場でお子様の前で否定的な言動をするのは避けましょう。それはお子様を混乱させ、夫婦間の信頼関係にも影響を与えかねません。疑問や意見は、後で夫婦二人きりの時に calmly に伝えるようにします。
- 完璧を目指さない 夫婦であっても別人格です。全ての対応を完璧に合わせることは現実的ではありませんし、そこを目指す必要もありません。大切なのは、全く違うバラバラな対応をするのではなく、お互いの考えを尊重しつつ、お子様へのメッセージに一貫性を持たせようと努力する姿勢そのものです。多少のブレがあっても、夫婦がお子様を想う気持ちは同じであることを、お子様はきっと感じ取ってくれるでしょう。
終わりに
子育てにおける叱り方や褒め方には、絶対的な正解があるわけではありません。大切なのは、夫婦がお子様の成長を願う気持ちを共有し、より良い方法を一緒に考えていくプロセスです。
お互いの違いを理解し、歩み寄る努力を重ねることは、夫婦のコミュニケーションを深め、お子様にとって安心できる家庭環境を作る上でもきっと役立つはずです。完璧を求めすぎず、夫婦で支え合いながら、お子様との日々の関わりを楽しんでいってください。