夫婦のりこえノート

子どもの成長とともに変化する夫婦の協力体制、どう築く? 隠れた負担を乗り越えるヒント

Tags: 夫婦関係, 子育て, 家事分担, 役割分担, コミュニケーション

子どもの成長とともに変化する夫婦の協力体制、どう築く? 隠れた負担を乗り越えるヒント

子育ては、子どもの成長とともにその形を変えていきます。乳幼児期には物理的なお世話が中心であった負担が、子どもが少し大きくなるにつれて、少しずつ質的に変化していくのを感じている方もいらっしゃるかもしれません。

例えば、おむつ替えや授乳といった直接的なケアの時間は減っても、学校や習い事のスケジュール管理、送迎、友達との関係への配慮、そして子どもの心のケアなど、目には見えにくいけれど時間やエネルギーを要するタスクが増えてくることがあります。

夫婦で築き上げてきた育児や家事の分担が、いつの間にか今の状況に合わなくなっていたり、「あれ、私(僕)ばかりがやっている気がする」といったモヤモヤを感じたりすることもあるかもしれません。子どもの成長という喜ばしい変化の裏側で、夫婦間の協力体制をどのようにアップデートしていくかは、多くの家庭が直面する課題の一つです。

変化する育児の形と夫婦の協力体制

子どもの成長に伴い変化する育児の負担に夫婦で対応していくためには、いくつかの視点を持つことが助けになります。

「見えない育児」の存在を認識し、言語化する

物理的な家事や育児(料理、洗濯、送迎など)は比較的リストアップしやすいものですが、子育てにはそれ以外にも多くの「見えない負担」が存在します。例えば、学校や園からの連絡をチェックし、必要な手続きを行う、子どもの機嫌や体調を気にかけ、感情的に寄り添う、友人関係や学習状況を把握しておく、休日や長期休暇の過ごし方を計画する、といったタスクです。これらは「名もなき家事・育児」や「メンタルロード」と呼ばれることもあります。

これらの見えにくい負担は、多くの場合、どちらか一方(特に母親に偏る傾向が見られます)に集中しがちです。まずは、こうした見えないタスクがあることを夫婦がお互いに認識し、具体的にどんなタスクがあるのかを話し合って言語化してみましょう。「〇〇に関する連絡や手配は、今どちらが主に担当しているか」「△△の計画や準備は誰が考えているか」のように、一つずつ確認していくことで、これまで見過ごしていた負担が見えてきます。

定期的に役割分担を見直す機会を持つ

子どもは絶えず成長し、生活環境も変化します。そのため、一度決めた夫婦の役割分担が永続的に最善であるとは限りません。年に数回、あるいは子どもの進級や新しい習い事の開始など、ライフステージに変化があったタイミングで、意識的に役割分担を見直すための話し合いの場を持つことをお勧めします。

この話し合いは、どちらかを責める場ではなく、現状の分担で困っていること、もっとこうなったら助かること、といった建設的な視点で行うことが大切です。お互いの仕事の状況や体調、子どもの成長段階に合わせて、柔軟に役割を調整していく姿勢が、長期的な協力体制を築く鍵となります。

スキルや得意分野、そして「余白」も考慮に入れる

家事や育児の分担を考える際に、どちらが得意か、あるいは苦手かといったスキルや、やりたいこと・やりたくないことといった個人の特性を考慮に入れることも有効です。必ずしも全てのタスクを完全に折半する必要はありません。夫婦で合計した負担が、お互いにとって納得できるバランスになっているかどうかが重要です。

また、夫婦それぞれが心身の健康を保つための「余白」、つまり一人の時間や休息の時間を確保できるような分担になっているかも重要な視点です。全ての時間を家事や育児に費やすのではなく、お互いがリフレッシュできる時間を持つことが、結果として家族全体の幸福度を高めることに繋がります。

変化を乗り越え、ともに歩むために

子どもの成長とともに夫婦の協力体制も変化していくのは、ごく自然なことです。時には意見がぶつかったり、どちらかが負担を多く感じたりすることもあるかもしれません。しかし、大切なのは、そうした変化や困難から目を背けず、夫婦で向き合い、話し合いを続けることです。

完璧な答えがすぐに見つからなくても、お互いの状況を理解しようと努め、歩み寄りながら、その時々で最も良いと思えるバランスを探していくプロセスこそが、夫婦の絆をより一層強くしてくれるでしょう。子どもの成長という素晴らしい旅を、夫婦二人三脚で楽しみながら、より良い協力体制を築いていってください。